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シュミットハンマー・コンクリートテストハンマーの測定方法

1.シュミットハンマー・コンクリートテストハンマーの機種選定
     ↓
2.テストアンビル(検定器)でシュミットハンマー・コンクリートテストハンマーの精度確認
     ↓
3.測定箇所の決定
     ↓
4.測定面の平滑化、付着物の除去
     ↓
5.測定
     ↓
6.強度推定(異常値削除、各補正)

    1.シュミットハンマー・コンクリートテストハンマーの機種選定


シュミットハンマー・コンクリートテストハンマーの種類

★通常の土木工事や建築現場では『普通コンクリート用・高強度コンクリート用』を使用します。


□普通コンクリート用・高強度コンクリート用
種類 メーカー タイプ 強度測定範囲 衝撃エネルギー
N型 シュミットハンマー 富士物産
(プロセク社)
指針読取式 10~70N/mm2 2.207Nm
NR型 記録式(記録紙) 10~70N/mm2 2.207Nm
シルバーシュミット デジタル自動補正記録式 10~110N/ml 2.207Nm
ディジ シュミット2 デジタル自動補正記録式 10~70N/mm2 2.207Nm
NS コンクリート
テストハンマー
三洋試験機 指針読取式 10~70N/mm2 2.207Nm
NSR 記録式(記録紙) 10~70N/mm2 2.207Nm
N-6500 亀倉精機 指針読取式 10~70N/mm2 2.207Nm
D-7000 デジタル記録式 10~70N/mm2 2.207Nm
R-7500 デジタル記録式プリンタ内蔵   10~70N/mm2 2.207Nm

□岩盤用
種類 メーカー タイプ 強度測定範囲 衝撃エネルギー
KSN型 シュミット
ロックハンマー
富士物産
(プロセク社)
指針読取式 5~496N/mm2 2.207Nm
KS型 記録式(記録紙) 5~496N/mm2 2.207Nm
GS ロックハンマー 三洋試験機 指針読取式 5~496N/mm2 2.207Nm
GSR 記録式(記録紙) 5~496N/mm2 2.207Nm
N-6000 アルファ・
ロックハンマー
亀倉精機 指針読取式 50~194N/mm2 2.207Nm
R-8000 デジタル記録式プリンタ内蔵 5~496N/mm2 2.207Nm

□軽量コンクリート用
種類 メーカー タイプ 強度測定範囲 衝撃エネルギー
L型 シュミットハンマー 富士物産
(プロセク社)
指針読取式 10~70N/mm2 0.74Nm
LR型 記録式(記録紙) 10~70N/mm2 0.74Nm

□低強度コンクリート用
種類 メーカー タイプ 強度測定範囲 衝撃エネルギー
P型(振子式) シュミットハンマー 富士物産
(プロセク社)
指針読取式 5~30N/mm2 0.88Nm
PT型(振子式) 指針読取式 0.2~0.5N/mm2 0.88Nm





    2.テストアンビル(検定器)でシュミットハンマー・コンクリートテストハンマーの精度確認



  シュミットハンマー・コンクリートテストハンマーは多数打撃した後や、 長期間使用しなかった場合などに、バネの硬さや内部の摩擦等が劣化し、正しい試験結果が得られなくなっている場合があります。
  従って、測定を行う前には、テストアンビル(検定器)を打撃するなどして、シュミットハンマー・コンクリートテストハンマー が正しく調整されていることを確認してください。


◆一般的なシュミットハンマー・コンクリートテストハンマーは、2000回~3000回の打撃後から、作動部の摩擦がおおきくなるなどの理由で、 測定結果が変化します。従ってこれらの打撃回数(自動機記録タイプの場合は記録紙1巻き)をめどに整備、検定等を行ってください。


◆シュミットハンマー・コンクリートテストハンマーの整備、検定等については、現状では、定まった指針等はありません。 詳細はシュミットハンマー・コンクリートテストハンマーの製造業者等へお問い合わせください。


□テストアンビルの種類
商品名 種類 メーカー 重量 基準値 対応機種 その他
テストアンビル
FBA-N(国産)
シュミットハンマー用 富士物産 13kg N型・NR型・DEGI2000ND
テストアンビル
PBA-EN(輸入)
プロセク社 13kg N型・NR型・L型・
LR型・DEGI2000ND
日本品質保証機構認定品
マスターローアンビル
LA
コンクリート
テストハンマー用
三洋試験機 12.6kg 43R NS・NSR 低基準値(実測値)検定・点検
マスターアンビル
CA
12.6kg 80R NS・NSR 高基準値検定・点検
システムアンビル
CA-Ⅲ
1.0kg 43R NS・NSR 実測値点検
システムアンビル
CA-2
2.2kg 62R NS・NSR 点検
システムアンビル
S-CA
4.9kg 74R NS・NSR 点検
マスターローアンビル
RL
ロックハンマー用 12.6kg 33R GS・GSR 低基準値(実測値)検定・点検
マスターアンビル
RA
12.6kg 84R GS・GSR 高基準値検定・点検
システムアンビル
RA-Ⅲ
1.0kg 33R GS・GSR 実測値点検
システムアンビル
RA-2
2.2kg 58R GS・GSR 点検
システムアンビル
S-RA
4.9kg 75R GS・GSR 点検
ハイブリッド
CR
コンクリート・
ロック両用
12.6kg コンクリ:80R
ロック:84R
NS・NSR・GS・GSR
テストアンビル
KH-80
コンクリート
テストハンマー用
亀倉精機 16kg 80R N-6500・D-7000・
R-7500





    3.測定場所の決定


  柱や壁を測定する場合は下から130cm~150cmの高さでコンクリートのサイドより3cm以上内側の乾いている場所を選んでください。
  (測定時の態勢がよくコンクリートの平均的な密度が得られている場所といわれています)



  また、コンクリートの厚みが10cm以上ある場所を選んでください。10cm以下の場合は打撃エネルギーが弱くなり、反発値(R値) が低くなります。

  濡れているコンクリートや湿っているコンクリートで反発値を測定した場合には、同じコンクリートを気乾状態で測定した ばあいと比較すると、測定される反発値が小さくなることがわかっています。しかし、その程度については、必ずしも十分には明らかになっていません。
  従って、測定を行う場合には、乾燥したコンクリートを対象にすることが重要です。 雨中や雨上がり等でコンクリートの表面がぬれていたり、湿っていたりする場合はなるべく測定を避けてください。




    4.測定面の平滑化、付着物の除去


  コンクリートの表面が平らでない場所は避け、表面に塗装や汚れがある場合はそれを除去し、 付属の砥石・カーボランダムシトーンで測定面を平滑にしてください。

砥石・カーボランダムシトーン



    5.測定


  測定場所決定後、測定個所シート(写真参照)などを使用して20点(土木学会、建築学会の指針) の測定点をマーキングする。



  マーキングを目安にシュミットハンマー・コンクリートテストハンマーでゆっくり打撃面に直角に打撃してください。



※反発値を測定する際には、内部のバネの力で一定の衝撃が加わるようにゆっくりと操作しなければなりません。 勢いをつけて操作すると、反発値が実際よりも高く測定されることがありますので注意してください。
  また、反発のエネルギーを正しく測定するためには、測定面に対して直角になるように打撃しなければなりません。 特に、上下方向の角度は、測定者からは分かりにくいので注意してください。これらの操作を確実に行うために、 シュミットハンマー・コンクリートテストハンマーの操作は必ず両手で行ってください。




    6.強度推定(異常値削除、各補正)


1)材令補正表
材令補正表

2)含水状態補正表
含水状態補正表

3)打撃角度補正表
反発度 傾斜角に対する補正値(△R)
+90° +45° -45° -90°
10 +2.4 +3.2
11 +2.4 +3.2
12 +2.4 +3.2
13 +2.4 +3.2
14 +2.4 +3.2
15 +2.5 +3.2
16 +2.5 +3.3
17 +2.5 +3.3
18 +2.5 +3.4
19 +2.5 +3.4
20 -5.4 -3.5 +2.5 +3.4
21 -5.3 -3.5 +2.5 +3.4
22 -5.3 -3.4 +2.5 +3.4
23 -5.2 -3.4 +2.4 +3.3
24 -5.1 -3.3 +2.4 +3.3
25 -5.1 -3.3 +2.4 +3.3
26 -5.0 -3.3 +2.4 +3.3
27 -4.9 -3.2 +2.3 +3.2
28 -4.8 -3.2 +2.3 +3.2
29 -4.8 -3.1 +2.3 +3.1
30 -4.7 -3.1 +2.3 +3.1
31 -4.6 -3.1 +2.3 +3.1
32 -4.5 -3.0 +2.2 +3.0
33 -4.5 -3.0 +2.2 +3.0
34 -4.4 -2.9 +2.2 +2.9
35 -4.3 -2.8 +2.2 +2.9
36 -4.2 -2.8 +2.1 +2.9
37 -4.1 -2.8 +2.1 +2.8
38 -4.1 -2.7 +2.1 +2.8
39 -4.0 -2.7 +2.0 +2.7
40 -3.9 -2.6 +2.0 +2.7
41 -3.8 -2.6 +2.0 +2.7
42 -3.7 -2.5 +1.9 -2.6
43 -3.7 -2.5 +1.9 -2.6
44 -3.6 -2.4 +1.8 -2.5
45 -3.5 -2.4 +1.8 -2.5
46 -3.4 -2.3 +1.8 -2.4
47 -3.3 -2.3 +1.7 -2.4
48 -3.3 -2.2 +1.7 -2.3
49 -3.2 -2.2 +1.6 -2.3
50 -3.1 -2.1 +1.6 +2.2
打撃角度補正図



4)呼び強度補正表
呼び強度補正表

5)粗骨材量補正表(kg/³)
粗骨材量補正表

6)セメント量補正表(kg/³)
セメント量補正表

7)セメントの種類補正表
セメントの種類補正表

8)骨材の最大寸法補正表
骨材補正表





エクセルシュミットハンマー管理表
シュミットハンマー・コンクリートテストハンマーの換算が簡単にできるソフトです。